マーク・トウェインの偽名言「貧乏人が金持ちに抵抗するとそれは『暴力』と呼ばれる」
英語圏で貧富の格差に抵抗するデモがおこなれるたびにマーク・トウェインの言葉として引用される言葉があります。
金持ちが貧乏人から奪うならそれは『ビジネス』で、貧乏人が金持ちに抵抗するとそれは『暴力』と呼ばれる
When the rich rob the poor, it’s called business. When the poor fight back, it’s called violence
いかにもトウェインが言い放ちそうな皮肉な言葉ですが、これは彼が生前に書いたり口にしたことが確認できない、偽名言です。
これについては Center for Mark Twain Studies の 2016 年の記事で Matt Seybold 氏が背景について解説しています。
The Apocryphal Twain: “When the rich rob the poor, it’s called business.”
この引用句がトウェインでないのは、彼が1910 年に世を去ってから2015年まで、この言葉がどこにも引用されていないことからわかります。
Matt Seybold 氏が知る限り、この引用句は「ウォールストリートを占拠せよ」をテーマにした独立系映画 “The Birds of Paradise"の Facebook ページが 2015年に投稿したのが最初だったそうです。
それから、この言葉はさまざまな別の人物の名言として広められましたが、ビルの横にポスターとして掲出されている画像が広まったことで、あらためてトウェインのものとして拡散されるようになりました。
日本でも、この画像を引用した投稿がツイッターでバズっているのを何度か見たことがあります。思わずシェアしたくなりますが、トウェイン本人の言葉ではないので注意しましょう。
ところでこのポスターが貼られていたのは、ユタ州ソルトレイクシティの Weechquootee Place という建物なのですが、”quote” 「引用」という単語がみえるような気がするのでどういうことかと思って調べたところ、これはネイティブ・アメリカンのウテ語で「明日」という意味らしいです。
「偽名言・偽引用句」とはニアミスしただけで、関係がなかったですね。