スター・ウォーズ「帝国のマーチ」を長調にすると一気に暗黒さが消える
スター・ウォーズを代表する曲は複数ありますが、メインテーマ以外ならば「帝国のマーチ」が当然挙がるはずです。
「帝国のマーチ」、正式には「インペリアル・マーチ」あるいは「ダース・ベイダーのテーマ」と呼ばれるこの曲は、旧三部作の至る所でつかわれた以外に、エピソード1-3においても帝国の気配を暗示させる場所ではそのモチーフが必ず用いられています。
ト短調のこの曲は厳粛で、死を思わせ、押しとどめることのできない帝国の圧倒的な力を象徴していますが、これを長調にアレンジしてしまった人がいます。
まずは聞いてみてください。
なんですかこの明るさ。
暗黒面が一気に消え失せ、明るい陽の光のしたで軍隊が行進しているような勇壮ささえあるではないですか。すべての戦いが終わって、凱旋している様子をわたしは思い浮かべます。
このアレンジを作った人は、タイトルを「Vader’s Redemption」としています。Redemption といえば、映画「ショーシャンクの空に」の原題「Shawshank Redemption」で同じ単語です。Redemption には「贖い」という意味があります。元々はキリスト教的な概念で、キリストによって罪を許され、救済されたことを指す言葉です。
スター・ウォーズ三部作は、ルークの物語ではなくてダース・ベイダーが息子によって贖われる物語でした。この長調のテーマは、アナキンが暗黒面に堕ちなければあり得た、もう一つの世界を示しているようでもあるのです。