檜原村探訪09: 高さ100m、幅4mの断崖をくぐれる神戸岩(かのといわ) #tokyo島旅山旅

2015 年 09 月 23 日

檜原村に存在する観光名所として、払沢の滝とともに名前があがるのが、都の天然記念物にも指定されている渓谷、「神戸岩(かのといわ)」です。

森を歩いていると、突然幅4m、高さ60-100mの断崖が現れると思ってください。まさに岩の扉が眼前で開きかけているかのような光景は圧巻で、昔の人が神戸(かのと)つまりは天の岩戸になぞらえたのも無理もありません。

ところがこの神戸岩、道路標識には書いてあるのですが、近づこうとするとちょっと不安になってしまう場所にあります。このぜひとも訪れたいスポットへのアプローチの仕方について、スリルあふれる神戸岩くぐりについてご紹介します。

神戸岩にいくには、檜原村の本宿地区から北川の道、都道205号を奥多摩方向にむかって進みます。道路標識にしたがって橋の手前で右折すると、集落を越えて次第に道は細くなってゆきます。

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檜原ウッディハウス村、ロッジ神戸岩と、宿泊施設の只中を通り抜けていきます。このあたりで「この先 神戸岩」などといった標識がなくなるので不安になりますが、かまわず進みます。

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これでよいのかと思い始めたあたりで、公衆トイレと小さな広場がでてきますので、ここで車を停車していきましょう。神戸岩はここから歩いてすぐです。

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鬱蒼と茂る森の中に、黒々とした断崖がそびえ立っているのですが、写真ではどうしても視界を覆って迫ってくる印象が中途半端に切り取られてしまってその威圧感を表現できません。

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渓谷の間からは勢いよく水が流れ出しています。みると梯子がかかっていますが、これがいわゆる神戸岩をくぐるルートです。

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向こう側から回るのが良さそうだと見回してみると、右手にトンネルが掘られています。しかしこれがなかなか怖い。

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なかは真っ暗闇の上に、水が垂れている音がしきりにします。足元も見えず、いきなり段差や水たまりがあってもおかしくないので手持ちのスマートフォンでライトを灯して進みます。そもそも、このトンネルに入ってよいのか表示もありませんから、ガイドブックなどをもっていないひとは躊躇しそうですね。

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出てきた反対側から、鎖を伝って神戸岩の中心を抜けることができます。が、これも怖い。

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ふだんはもう少し水が少ないそうですが、先だっての台風で増水しているので落ちると危険な雰囲気です。しかもこれ、一応鎖はあるのですが、足を滑らせたとして、本当にこの鎖で支えられるのかあやしいなあ…(笑)

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鎖場をすぎて、また鎖場。水の流れによって削り取られて、お椀のようになった地形がジグザグ形に広がります。

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振り返るとこのような感じ。見上げれば数十メートルの崖、幅は飛び越えるほどの広さの、まさに戸口をイメージさせる形です。

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さて、向こう側につくと、先ほどのハシゴを下り、橋をわたってスタート地点に戻れるはずなのですが…

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橋が流されてる! 強固な橋が据えられているわけではなく、ちょっと板を乗せただけのものですから、急流で流されてしまったのでしょう。

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しかたなく、もう一度鎖場をぬけて戻ることにします。スリリングな神戸岩くぐりですが、特に表示や注意書きもありませんので、足元の滑りやすさ、安全かどうかはよくよく注意して入るようにしてください。

さて、次回は神戸岩のすぐちかくにある神戸国際マス釣場に立ち寄ります。「国際」というのはなぜついているのか、聞いてきましたよ。

「tokyo reporter 島旅&山旅」について

東京都の観光PR事業の招待で、東京都檜原村の取材をしています。tokyo reporter島旅&山旅についてはこちらのサイトを御覧ください。

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堀 正岳 (Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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