3輪の安定性と乗り心地を追求した「ヤマハ TRICITY 125」試乗会に参加しました #tricity

2014 年 07 月 01 日

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いつもボートクルーズなどでお世話になっているヤマハ発動機様のお誘いで、まったく新しいコンセプトで開発された「第3の移動体」TRICITY 125の発表会&試乗会に参加してきました。

といっても自分、よくよく考えてみると公道を走るエンジン付きの乗り物は自動車しか乗ったことがなく、バイクはもちろん、原付きさえもまたがった経験がありません。ええ、まったくこの手の話にはまったく詳しくありません(笑)。

そんな僕が試乗会も含めて参加してみようとおもった理由がこのフォルム。前が二輪、後ろが一輪でいかにもコーナーを楽に回れそうな仕組みになっています。

ヤマハが LMW (リーニング・マルチ・ホイール)と呼ぶこのしくみは本当に乗り心地がよいのか? 若いころにバイクの免許をとりそびれた自分のようなひとが、いまからバイクに乗る意味について考えてみました。## モビリティの進化と「3輪」という必然

ヤマハ発動機の柳社長のプレゼンでは、軽くこれまでのヤマハの生み出したスクーター、バイクなどの歴史が紹介されましたが、これがとても納得のゆく内容でした。

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たとえばこちら、70年代に足を揃えて乗ることのできる女性向けスクーターの市場を生み出した「パッソル」。子供時代には普通に走っていましたね。

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そこからいきなり自転車が紹介されるのですが、電池のちからで人間をアシストする「PAS」。こちらも学生時代に登場した時にはまだ若かったので「こんなものの手を借りるなんて」と思っていましたが、買い物の荷物を満載して坂道を登らなくてはいけないいまの生活では必然といってよい製品です。

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こちらはタイの通勤などでお馴染みでアジアの風景を形作った「Mio」。その他にも、スポーツ・コミューターの「TMAX」などがスライドで紹介されました。こちらなどはリーズナブルな値段と、デザインによって巨大な市場を形成した例といっていいのでしょう。

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そしてこの流れで、登場したのが今回の「TRICITY 125」です。

こうしてみると、ヤマハの歴史はバッテリー付き自転車のような機能的デザインと、フォルムのデザインによる市場創成の2軸で成長してきたという印象をもちます。

「TRICITY 125」その両方を兼ね備えた存在で、前輪2輪という機能的な進化と、「Mio」のような乗る側の気持ちに刺さるフォルムの両方を攻めているという存在というわけです。ああ、これがタイを始めとしたアジア各国を疾走している姿が目に浮かびますね。

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発表には CM に起用された大島優子さんも登場しました。きっとこの日のために働き詰めだったであろう柳社長の少し疲れた表情との対比が面白い(笑)。

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大島さんお一人でのショットも。かわいいですね。

さて、重要な点をいくつか上げておきますと、TRICITY 125 は名前にもある通り 125cc のバイクという扱いです。いわゆる原付二種というわけです。なので公道での走行には「AT小型限定普通自動二輪免許」以上の二輪免許が必要になります。

125ccですので、法定最高速度は60km/h、二人乗りもOK、二段階右折も不要という扱いになります。高速道路には乗れませんが、半径10km以内にだいたいの行き先があるという人には小回りのきいた選択肢となるかもしれません。

値段はなんと33万円という安さ、発売日は9月10日を予定しているとのことです。

試乗会、初めて乗るバイク

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というわけで試乗会です。バイクの免許をもっていない僕はビギナーコースで、ほんの20mほどの距離を往復させていただくというコースです。

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こちらはブログみたいもん!のいしたにまさきさん(@masakiishitani)。もちろんヘルメットにプロテクターもつけて乗車です。

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こちら、いしたにさんが乗車したところ。けっしていしたにさんが小さいというわけでなく、TRICITY 125 がかなり大きいのです。気軽に駐輪場に置くととてもじゃまになりそうな存在感ですが、これで33万円というのはすごいなと思えます。

TRICITY 125 の特徴として、こうした「前輪2輪」という構造をとったことから必然的に2輪が同調して傾く「パラレログラムリンク」という機構が2輪の中央に隠されています。このおかげでスムーズに斜体が傾き、どちらか片方の車輪が持ち上がったりすることもありません。

また、見えない部分の話になりますが、左ブレーキレバーによってリアとフロントのブレーキが同時にバランスよく効力を発揮するシステムも搭載されており、斜体が前につんのめったりすることがないようになっています。

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すでにバイクの免許をもっているかたは駐車場を周回するコースへ。なかには限界まで斜体を倒してみる人もいて楽しそうでした。

こちらの写真で前輪の上にみえているサスペンションにも今回独自の技術が導入されており、少々の段差や起伏は前輪が個別に吸収してしまう仕組みになっています。前輪が一個の場合に比べてさらに衝撃が吸収されているので乗り心地がよいわけです。

そのあたりの解説は僕のようなくわしくない人間よりもこちらの解説動画の方がよいでしょう。しかしまあ、骨子はそういうわけです。

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さて、僕も原付きにさえ乗ったことのない立場からいきなり3輪です。感想はというと、思ったよりも安定していて、初めて自転車に乗った時よりもふらつかない、フラつきに対して安心感のある感触がしました。

2輪に対して危険という印象をもっていたのが少し和らぐと同時に、ここには独特の面白さがあると思いました。

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TRICITY 125 の企画に携われた松田克彦様に最後お話をうかがうことができたのですが、もちろんすぐに買っていただけると嬉しいは嬉しいのですがと前置きをされたうえで、「この製品の安定性や、125ccのスクーターというニーズを求めている人をじっくりと探したい」とのこと。

そのためには1、2年ほどかかっても大丈夫。それだけのものを作ったから、と氏は自信をみせておられました。

たしかにその自己評価と予測は当たっているのではないかというのが乗ってみた印象でした。

125ccスクーターというのは万人のニーズを満たすものではありません。しかしこうしたスクーターが最も便利になる生活圏に住んでいて、3輪の安定性を求めているライダーというのは確実にいそうです。

あとはそうしたニーズのある層が2輪免許を取得するまで動くか。ここでもう少し背中を押して貰えると、うっかり免許を取りにいってしまいそうなのですが!

というわけでこのTRICITY 125、特設サイトにはモニターキャンペーンなどのお知らせもありますので、免許をお持ちの方はぜひご応募下さい。

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堀 正岳 (Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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