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「隧道」神奈川県横須賀市にいると、この漢字によく出会います。読み方は「すいどう」あるいは慣例的に「ずいどう」で、トンネルのことを指す言葉です。

私は「水道」との誤解を避けるために「ずいどう」と読むのが好きなのですが、とにかく横須賀市を車で通過していると、こうしたトンネルに出会うことが多いのです。

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たとえば国道16号線を京急田浦から汐入に向かうだけで、短時間にこれだけあります。ここは左車線と右車線が分岐してそれぞれ別のトンネルに入るという構造にもなっていますので、倍の数の「隧道」があります。

もともとは江戸からも離れていて、海岸線はあるきにくい寒村だったこの地域は、明治期に海軍の軍港として拓かれたことによって大きな変貌を遂げました。横須賀市の沿岸は人や物資を運ぶために急速に開発され、こうした「隧道」がいくつも建設されたのです。

それもあって、横須賀市は市内のトンネルの数で日本一という記録ももっています。

一つ一つ違いがあって、風情もあるトンネルですが、それを観光に活かそうという考えからこのほどダムカードならぬ「トンネルカード」が横須賀市から発行されることになりました。

でも待ってください…。

隧道はとても魅力的なのですが、どれも車を停めたりできるような便利な場所にはなく、危険もあるのでどうやってこのトンネルカードを配布するのでしょう。と思ったら。

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対象店でコラボ商品を買うともらえるんですね!

斜め上をいってる気もしますが、この方が安全ですし、思い切りのいいキャンペーンでかえって好感がもてます。隧道には、これらの店にいくついでに安全にアプローチすればいいのですものね。

いくつかの隧道をご紹介

ついでですので、横須賀市の魅力的な隧道をいくつかご紹介しておきましょう。国道沿いのもあれば、海岸沿いから国道へとかつての村の住人らを軍港へ労働者として運ぶために建設されたものもあります。

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いきなり難易度が高いですが、徒歩でアプローチすることができて味わい深いこちらは、ペリー公園側と浦賀をつなぐ「長瀬隧道」です。検索すると心霊スポットだという情報が出てきますが、そんなことはないと思います…。

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国道16号線沿いの「新逸見隧道」もともとは明治22年に建設された「吉倉隧道」だったのですが、複線化と拡充を経てこの名前になりました。

この隧道ができる前は、どれだけこの半島の交通が厳しいものであったかはこちらのページなどで確認できます。歴史を追っているだけで心が熱くなります。

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どちらかというと新しい「観音崎隧道」ですが、こちらも観音崎が砲台として拓かれた頃からの名残ですので、歩いているだけでわくわくします。

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そしてもちろん、一度は見るべき東京湾の孤島、「猿島」の隧道。こちらは砲台と砲台とをつなぐレンガ造りが今に伝わっています。

隧道は開国の血脈なのだ

隧道はそれまで放置されていた横須賀が、黒船の来航とともに首都の防衛が強く意識されて台場として、軍港として生まれ変わってゆくときにうまれた新しい人と物を運ぶ血脈です。来歴からみるとけっして「車で走れると便利」だから作ったトンネルというわけではないのです。

そこに、いまも「隧道」という漢字をあてて利用している横須賀の気概のようなものを感じるわけです。

トンネルカード、ちょっとめずらしいコレクションになるので時間をみつけて集めてみたいと思います。

 

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