Complexifier:もっと混乱させること。でもこれは英語なの?

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AmazonのCEO、ジェフ・ベゾス氏がタブロイド紙のNational Enquirerを所有するAmerican Media Inc.の編集者らによって恐喝されていた件をブログ記事に暴露したことが大きな話題になっています。

No thank you, Mr. Pecker | Medium

ベゾス氏はトランプ大統領に批判的なWashington Post紙のオーナーでもあり、AMIは親トランプ的なメディアとして大統領の醜聞をいくつももみ消してきた経緯もあって、これをベゾス氏 vs トランプ大統領という構図で考える人も多くいます。

一方で、全然別の理由でベゾス氏のMedium記事を読んで首を傾げていた人もいます。氏が二度にわたって奇妙な単語、"complexifier" を記事中で使ったからです。

Here’s a piece of context: My ownership of the Washington Post is a complexifier for me. It’s unavoidable that certain powerful people who experience Washington Post news coverage will wrongly conclude I am their enemy.

ここでベゾス氏は「自分がWashington Postのオーナーであることは、事態をより混乱させる」という意味でこの言葉を使っています。しかし complex に -fier という接尾語をつけたこの言葉、実は英語辞書にはのっていません。

なので、ツイッター上ではある程度の人々が「complexifier? なんだそれは」と疑問をつぶやいていました。

Complexifier, Mr. Bezos? It Is a Real Word, Just Not in English. - The New York Times

しかしNew York Timesによれば、この単語は実は英語ではなくて、フランス語に存在する使い方なのだそうです。意味はまさに「より混乱させる」ことです。発音は「コンプレクスフィエ」に近くなっています。

もともと complex という言葉自体がラテン語の complector という言葉から、com 「一緒に」とplector「編む」という形で成り立ち、それからフランス語圏、英語圏へと広まって生まれた言葉ですので、フランス語で似ているけれども別の変化型があっても不思議はありませんね。

ひょっとするとベゾス氏はこの記事によってこの言葉を一気に英語圏に導入する機運を生み出したことになるかもしれません。今後の使用状況を注視していきたいものです。

ベゾス氏の暴露記事の背景についてはこちらの連続ツイートで解説していますので、どうぞ。

  • この記事を書いた人

堀 正岳

堀 E. 正岳。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、Lifehacking.jpClimate+を運営しています。 著書に「理系のためのクラウド知的生産術」」(講談社ブルーバックス)、「Evernoteオールインワンガイド」(インプレス・共著)、「iPhone習慣術」(インプレス・共著)、「モレスキン 「伝説のノート」活用術」(ダイヤモンド・共著)、「情報ダイエット仕事術」(大和書房)

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