英語メモ: “Furloughed” 暇をあたえられること、あるいは一時的解雇

英語メモ: “Furloughed” 暇をあたえられること、あるいは一時的解雇

アメリカの政府機能の一部閉鎖、いわゆる Partial Government Shutdown が過去最長記録を一週間以上更新し、一ヶ月に達しています。

政府機能の一部閉鎖とは、政府機関を運営するための予算法案が議会を通過できなかったり、通過はしたものの、それを大統領が署名して執行することを拒否した場合に発生します。アメリカの法律では、こうした場合に政府の機能のうち必要不可欠ではないものが停止され、職員は一時的に職務停止をいいわたされます。これが Furlough (ファーロー)という、首になったわけではないものの、出勤することができず、給料も出ない状態です。

ひどいのは、空港の保安係官や、軍病院の医者など、一部の職員については「必要不可欠」とみなされるために給料はでないのに出勤することが法律で求められます。実際、今回のシャットダウンではTSA(運輸保安庁)職員、つまりは空港でムスッとして荷物検査をしている彼らが給料なしで働かされているわけです。

今回のシャットダウンの理由は非常にくだらなく、もともと上院で予算法案が可決され、あとは大統領が署名するだけの段階で保守系メディアが「公約のメキシコ国境の壁が予算に入っていない!」と騒いだこともあってトランプ大統領が急に変心して壁の予算が入らない限り署名をしないと駄々をこね始めたのがきっかけになっています。

膠着状態が解かれて、予算法案が執行されれば、いま furlough されている職員たちの支払われなかった給料も満額が支払われることにはなっています。しかしすでにNASAやNOAAといった科学機関を含む多くの組織の活動が凍結されているせいで、そうした組織と契約している外部組織もビジネスができずに打撃をうけています。彼らに対しては失われたビジネスの分の補填はありませんので、政府シャットダウンはゆるやかに経済も蝕みつつあります。

英和辞典での意味との違い

furlough という言葉については、ちょっと気になるのが英和辞典における意味との差です。辞典によっては(米)とカッコ書きをつけたうえで「一時帰休」つまりは職場都合の休暇ということが明示されています。

しかし多くの辞書では「公務員や軍人の休暇、瑕賜」という定義がまずやってきます。これだと休暇を欲しがっていたのは休む本人ですので、今回の意味とは逆になってしまいます。

また、解雇の場合は fired ということばを使いますが、こうして一時的にいとまを与えられる場合は furlough となっていて、実は英語圏でもそれほど日常的に聞く言葉ではありません。

これほど影響が広範囲で深刻だと、ぜひ二度と聞きたくない言葉でもあります。いとまを与えられている職員のなかには一度でも給料が払われないと家賃がはらえないひと、健康上の理由でお金が必要なひとなど、さまざまな事情を持っている人が数多くいます。

こうした人々の生活が一刻も早く元通りになることを祈っています。

 

Written by
堀 正岳