乗馬で向かう秘められた湖、レイク・アグネスの静かな美しさ

かつて私は、馬に揺られて、山奥に隠された湖を訪れたことがあります。

前回紹介したフェアモントホテル・シャトー・レイク・ルイーズには、宿泊だけでなく、カヌーやハイキング、そして乗馬といったアクティビティを楽しめる用意があります。

乗馬! こんな場所からどこに向かうのかと思ったら、実は馬で一時間もかけて登った山の上に、アグネス湖という、もう一つの氷河湖があるのです。

練習もそこそこに、いざ出発!

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というわけで訪れたのはホテルのそばにある Brewsters Stablesです。Brewster って何かとおもったら、以前紹介した氷河ウォークを提供しているのと同じ、会社の名前なんですね。

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いくつかコースがあるみたいなのですが、この日は午後の予定もあるのでアグネス湖にむかう往復2時間ほどのコースに。

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歩を進めると、いました!落ち着いた様子の馬たちが待ってくれています。

最初、この馬場を一、二周するくらいの練習はするのですが、ほとんど説明もないままにいきなり出発となります。

馬で登るアグネス湖への道のり

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馬による山登りというのは最初イメージができなかったのですが、この日の前後は雨が降っていて、足元のぬかるみをみるととたんに納得できました。

これ、人間の足では泥に足をとられてほとんど前に進めません。開拓時代は馬が必需だったというのも、こうしたところから頷けます。

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気がはやる馬が前を進んでいるネタフルのコグレマサトさん(@kogure)の馬に突き当たろうとするのを防ぐのに必死でしたが、次第に余裕もでてきて馬上から写真や動画も撮影していました。

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しばらくすると、小さな氷河湖に出てきます。ここは目的地ではないようなのですが、写真をとるのに絶好の場所なのでガイドの方がカメラを預かって撮ってくれました。

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どうです、なかなか様になっているでしょう?

アグネス湖の山小屋でホットココアを

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この日は夜中に雨が降っていたこともあって気温は低く、手綱をもつ指も次第にかじかんできたのですが、足がぴったりと密着している馬からは暖かい体温が流れ込んでくるのが心強いものでした。坂道になると息を荒くして、下りになると一息ついてという馬の気持ちも多少伝わってきます。

そうこうしているうちに、ホテルのはるか上までやってきました。

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この先に目的地があるので、馬たちは繋いで待っててもらいます。ここまでありがとうね。

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みえてきたのは小さな山小屋。これが、こんな場所で 1905 年から世界中の旅人に茶とコーヒーのサービスを提供し続けている Lake Agnes Tea House です。元々カナダ太平洋鉄道の休憩所として作られ、その後1982年に建て替えが行われたものの、窓や内装はいまも20世紀初頭のまま、営業を続けています。

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山小屋の前にあるのは、どこまでも静かなアグネス湖です。この湖の名前は1886年にこの場所を訪れてその美しさに驚嘆したカナダの最初の首相夫人、アグネス・マクドナルドにちなんでつけられています。

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山小屋の中に入ると、9月にかかわらずストーブが焚かれていて暖かさにほっとします。お茶と紅茶のメニューも豊富で、サンドイッチなども提供されています。

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Lake Agnes Tea House は6月から9月という短い間だけ、主にアウトドアを楽しむ大学生などがスタッフとなって営業されているのだそうです。ここはロッジとして宿泊も可能で、スタッフも、旅人もこのロッキー山脈の大自然を満喫するためにここにいるのです。

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ホットココアで温まったら、もう一度馬上の人になってホテルまでの帰路につきました。

ホテルの前にあるレイク・ルイーズも壮大ですが、この秘められた静かな湖もいつまでも見ていたいほどに心惹かれる場所です。

レイク・ルイーズまで来たなら、ぜひ乗馬での散策、いかがでしょう。

「かつて私は」シリーズについて

このシリーズは、以前旅をしたのですが、なかなか書ききれていなかった話題について掘り起こしをするエントリとなっています。

旅記事は本当は旅とともに臨場感をもって更新したほうがほうがよいのですが、なかなかそうはいきません。しかしもったいないので、時間がたってからでも、読める体裁に編集してお届けしています。それぞれの記事は公開後に対応する旅カテゴリに格納される予定です。

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2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。