お酒の「升升半升」瓶は「益々繁盛」と判じ読みしたありがたいサイズ

2016 年 01 月 30 日

先日主催しました「帰ってきた ONEDARI BOYS」イベントでは、請福酒造様から見た目のインパクトがすごい4.5リットル瓶のお酒をいただきました。

普通のボトルと並べるとその大きさがわかりますね。この4.5リットルは尺貫法でいうと「二升五合」、五合が升の半分であることから、「升 升 半升」で「益々繁盛」と判じ読みをする縁起物だということです。ありがたいことこの上なしですね。

【訂正】請福のマグナムボトルと紹介しましたが、升升半升(4.5L=ますますはんじょう=益々繁盛)と呼ぶそうです!縁起いいね! #onedari10 https://t.co/19MOeIasVH

— コグレマサト/(^o^)\ (@kogure) 2016, 1月 29

でも尺貫法はあまりふだん使わないので、「ほう、そんな風にリットルになるのか」とちょっと意外でした。というわけで、例によって情報カードをとりだして計算してみました。

「升」とは何リットルなのか?

そもそも「升」(しょう、ます)は手ですくった量からきているということですが、時代とともに次第に大きくなってもともとの量の10倍に達しているそうです。

単位の量がかわるのは時代的な移り変わりだけでなく、経済的な政策であったりもします。

1669年、江戸幕府は、江戸を中心に使われていた江戸枡(古京枡と同じ量)を廃止し、古京枡より少し大きい新京升の採用を命じた。新京升は縦横4寸9分、深さ2寸7分、約1.8039リットルであった。一説には、縦横が1分減り、深さが2分増えたのだから体積は変わらないと思わせて、実は体積が約3.7%増えているという策略であるとも言われる。江戸幕府は江戸と京都に「枡座」を置いて枡の大きさを厳密に統制したので、江戸時代の約300年間大きさの統一が保たれた。(via Wikipedia)

国の経済が傾くと単位が変わって税収をごまかすという話は洋の東西をとわず普遍的ですね…。また、日本の場合には1891年(明治24年)に単位がメートル法に変わった際に、1尺 = 10/33m に定義されていますので、そうした変化もあります。

では、升は何リットルなのでしょう。「升」の寸法が「分」で定義されていますから、まず「立方分」で容積を計算してみます。次に、「分」は「1/100 尺」であるので、「立方分」を「立方m」ついではリットルに変換していきます。

sho-to-litre

なるほど、1升 = 1.8リットルほど、というわけで 2.5升 = 1.8 x 2.5 = 4.5リットル。ちょうどだ!

Wikipedia を見ていると、一斗缶の「一斗」が10升、つまりは「五升の倍」であることを使って、「一斗 二升 五合」と書き、「五升倍 升升 半升」と読ませて「御商売 益々 繁盛」と判じさせるという例もあって、うまいことを言うものだと関心しました。

一昔まえならきっと常識だったのでしょうけれども、こうして聞き返さないと、調べないとわからないことも増えているのでしょうね。

お酒も、ありがとうございました!

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堀 正岳 (Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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