それではここで、冬の瓢湖を宿とする3564羽の水鳥を御覧ください
出張で新潟にきています。大学での研究会のあと、阿賀野川沿いの宿泊施設に泊まっていたのですが、翌日そこから市内へと送っていただくバスの運転手が近くの季節の見どころへと案内してくれました。
白鳥や水鳥の飛来で有名な、阿賀野市水原(すいばら)地区の人工湖である瓢湖です。
歴史は1639年、寛永16年に用水のために作られた池で、当時の形がひょうたんのようだったことから瓢湖という名前が付けられたのだとのことです。周囲は瓢湖水きん公園として整備されており、冬場には飛来する鳥たちを間近で見られます。
ほんの少し歩いて湖に近づくだけで、多い! 一面鴨と白鳥ではないですか。
おもわずVineで撮影したのがこちら。それなりに寒いはずなのですが、みんな意にも介さぬ様子で集まっています。
たまった雪が流れ込んで、そこを足場にしている鳥達もいます。みていると、水に多くの藻などが浮いていてそれを食べているようすもみられました。
橋の欄干で寒さをやり過ごしている子たちも。これだけ集まって大丈夫なのかと思いますが、ここは毎日餌をあげているということで、野生なのにこれだけひとに慣れているのも珍しいのだそうです。
歴史的にみると、瓢湖ができてすぐに鳥の飛来は見られていたものの、猟銃などの発展によって次第に数は少なくなっていました。そこに急に昭和25年になって白鳥の飛来が見られ、昭和29年には吉川重三郎氏が餌付けに成功していまのように多数の飛来がみられる場所になったという流れがあります。
現在ではラムサール条約に登録されている湿地として、保護の対象となっています。これは湿地というのは周辺の流域や開発状態も含めて管理されないと維持が難しいということから水鳥の飛来地になっている湿地を登録し、守ろうという国際的な条約です。国際的というのも、たとえば白鳥のように国境をまたいで飛ぶ鳥については一箇所の飛来地だけを守るのではダメで、季節ごとの行き先に応じて国際的に連携して湿地を守らないといけないからですね。
この日は、飛来している鳥の数は3564羽! 最後にもう一枚、いつまでもみられるように Vine を撮影しましたので、お時間のある限りお楽しみください。
湿地からは以上です。