南大東島旅行 (6):南大東島の生命線。「だいとう」のワイルドすぎる入港

2014 年 02 月 10 日

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観光客は南大東島に飛行機でやってくることができますが、しかし飛行場はプロペラ機が離着陸する程度の大きさですので、もっと大量の島への物資の輸送などはどうなっているのかと不思議になります。

ガイドのかたの説明では、そこは大東海運株式会社の運営する船舶「だいとう」が島の生命線として、沖縄本当と南北大東島を行き来します。ちょうどその「だいとう」が南港に入港予定でしたので、港に見に行くことができました。## 岩城のような港にワイルドに停泊

南大東島は島の周囲が峨々とした岩場で囲まれています。南港はなかでも自然の岩を切り開いて作った港で、こうしなければ台風などの自然の猛威で人工の港はすぐに壊れてしまうのだそうです。

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港に降りてゆく道を下から振り返ったところ。まさに岩山を切り開いたような場所です。しかし道を見ると…。

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ところどころに欠けた部分が。これ、台風時に波で飛ばされた巨岩がこの坂道を駆け上がり、ところどころにぶつかってできた跡なのです。

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港はというとこんな感じで、この日は海が荒れていたこともあって白波が轟いています。しかしこれだと、いったい船はどうやってとまるのかというと、船体の破損を防ぐために岸壁から離れたところに船はとまり、前後をロープでしっかりと係留する形をとります。

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こうした場合、岸壁に押し付けて船を固定できませんのでタラップで人が降りることはできません。そこで人もこうしたケージを使ってクレーンで乗り降りします。

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しばらく待って、ようやく船がやってきました。全長83.6m、690トンの立派な船です。ただ、この大きさだと私も本業で乗ったことがあるのですが、けっこう揺れるんですよね…(笑)

船が岸壁に横付けされて、すぐにロープでの固定作業が始まります。その間も大きく横に揺れる「だいとう」。見た目!とても!怖い!

先ほどのケージでの乗船・下船も体験させていただきました。揺れる船の上に一気にクレーンで運ばれてゆくのですが、これも簡単そうにみえてすごい腕前です。

こちらが降りる側の動画です。こんな船の乗り降り見たことありません。

Post from RICOH THETA. #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

ついでですからもう一つ。こちらはケージ内から撮影した Ricoh Theta による全天球パノラマ画像です。クレーンからの Theta 画像って、あまりなさそうですね。

沖縄本島から南北大東島に約400km。月に4、5回運行される「だいとう」は島の生活物資、石油、運送品など、すべてをまかなっています。

実際、船が入港した日の昼ごろ、在所地区の商店の前には商品をいっぱいに積んだ車が品を積み下ろししている光景がみられました。

以前、仕事でアリューシャン列島のダッチハーバーに行った際にも、こんな小さな島にびっくりするほどの貨物コンテナが運ばれているのをみて、物流というものの凄まじさを感じたことがありました。

「だいとう」のこのワイルドな入港も、港に危険や制限があるなかで、なるべく多くの物資を運ぼうとする努力から生まれたノウハウなのですね。

さて、ゆっくりと更新中ですが次回と次々回でようやく島の観光の名所へと筆を進めることができそうです。全部で18回分の下書きが…!

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堀 正岳 (Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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