最も信頼できるのはAmazon? アメリカ人が信頼する組織が政党でくっきりと別れている調査結果の面白さ

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二人以上の人間がいるときに意見の違いがあるのは、自然なことです。しかしその意見の相違を解消するためには、二人の間に言語や価値観の連続性がなければ難しいことになります。ある種の連続性がないと、妥協点を見出すことが不可能だからです。

そうして解決不能な対立を放置しているうちに「反対側の意見は不合理で、危険で、排斥しなければいけない」というところまで考えが突き進んでしまいます。これは、意見の異なる人同士の接触がネガティブであればあるほど、両者の意見がさらに対立方向にむかって極端化するという「バックファイヤー効果」などとも呼ばれています。

このような共通の価値観が存在するかを知るために行われた調査の一つに、アメリカ人がどのような団体や組織に対して信頼を寄せているかという 2018 American Institutional Confidence Poll という調査があり、その結果がとても興味深いものでした。

これは、「あなたはどのような組織に対して信頼を寄せるか」という調査を行った上で、結果をアメリカの二大政党である民主党(Democrats)と共和党(Republicans)支持者でわけて上位から下位までを並べたものです。

結果をみると、アメリカ人は共和党寄りであるか、民主党寄りであるかという政党に対する属性によって、信頼をよせる組織が如実にかわっていることがわかります。

たとえば民主党支持者がもっとも信頼を寄せているのはスコアからみてAmazonであるのに対して、共和党支持者は軍隊だというのはなかなかすごいのではないでしょうか。もちろんこれは民主党員が「軍隊よりもAmazonを信頼している」と読むよりは、設問の性質からいって「この組織から出てくる情報が正確で間違いがないと思うか」という度合いを示していると考えられます。

Googleのランクが4位 vs 12位であったり、行政府の順位が 20位 vs 4位、マスコミが7位 vs 20位という差も、ものの見方の断絶を示しています。

調査結果によれば、アメリカ人の意見をもっとも分けているのは支持する政党であって、同じ政党支持グループ内で年齢、性別、人種、所得となどといたわけかたをしても、ここまで大きな差は得られないということがわかっています。

よく知られているようにアメリカの二大政党の支持は都市部か地方か、所得層、保守かリベラルか、宗教といったいくつかの軸で別れていますが、政党間の争いがそうした差異を覆い隠すほどに暴走しているということでもあります。

どちらが正しいかということをいったん横において考えると、こうした翻訳不可能な価値観の連続性の断絶がこのまま進行することに危惧を感じますし、こうした構造が日本でもより顕著になってゆくのではないかと気になるところでもあります。

興味深いので、このリストを1位から20位まで並べてみました。考える題材として、ご覧いただければと思います。

順位 民主党 共和党
1 Amazon 軍隊
2 大学 地方警察
3 軍隊 Amazon
4 Google 行政府
5 FBI 宗教
6 非営利団体 銀行
7 マスコミ 非営利団体
8 労働組合 大企業
9 地方警察 地方自治体
10 慈善団体 慈善団体
11 地方自治体 裁判所
12 裁判所 Google
13 州政府 州政府
14 銀行 FBI
15 大企業 大学
16 宗教 議会
17 Facebook 労働組合
18 政党 政党
19 議会 Facebook
20 行政府 マスコミ
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堀 正岳

堀 E. 正岳。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、Lifehacking.jpClimate+を運営しています。 著書に「理系のためのクラウド知的生産術」」(講談社ブルーバックス)、「Evernoteオールインワンガイド」(インプレス・共著)、「iPhone習慣術」(インプレス・共著)、「モレスキン 「伝説のノート」活用術」(ダイヤモンド・共著)、「情報ダイエット仕事術」(大和書房)

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