IBMの研究者が発表した、一酸化炭素の分子をピクセルにして作った世界最少のアニメーション、”A Boy and his Atom” をYouTubeで見ました。なんだこれ、かわいい(笑)

この短いキュートなストップモーションアニメを撮影するには、走査型トンネル顕微鏡を使ってサンプルを1億倍も拡大して、原子をじかに動かしながらフレームごとに撮影しなければいけません。

最先端の技術の極小の歩み

こちらにはそのメイキングを編集した動画も存在します。

Atom2

原子一つを見るためにはそれを走査する「針」も原子レベルで小さくなります。針を離れたところで走査して画像を得て、こんどは対象となっている分子と化学的に相互作用をするところまで針を近づけて動かします。

Atom1

こうして1フレーム、1フレーム、余計な原子を取り除きながら撮影してゆくわけです。途方もないスケールの小ささの話です。

こうした技術は、データ保存の分野の最先端のための研究なのだと研究者たちはいいます。

現在1ビットのデータを保存するためには、約1000000個の原子を使っているといわれます。これだけ高密度化したメモリでもまだそれだけの巨大な構造なのですね。

このアニメーションに利用されている技術は、最少の大きさで情報を保持する磁石を作る研究に用いられており、現在では1ビットを保存するのに12個の原子で足りるということまでわかっているそうです。

もしこの密度でメモリースティックを作ったなら、映画を数本入れられるなどといった程度の話ではなく、これまで撮影されたすべての映画を保存することができるというレベルの話になります。

「まだこの技術がどんな形で実用化されるのかはわからない。でもこうして研究を行うことで、やがてやってくる未来の下地をつくることができるのさ」

技術の、そして科学のフロンティアは常に極小の進歩の積み重ねです。この原子でできたアニメーションはその極小の歩みをまさに可視化してくれたということでもあるのですね。

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